蜜蜂と遠雷
皆様読まれましたか?
いま話題の蜜蜂と遠雷です🐝🌼
何だろう。もう、読んでる最中は止まらず、早く次を読みたいという一心なのですが
あと少しで読み終わってしまう、という時。最後の数十ページをめくる手は、終わってほしくない、という一心でめくる手がなかなか次へ動きませんでした
これほど音楽に携わってて良かったと心底思えた本に出会えたのは初めてです。。
恩田陸さん凄すぎです!!!
何故こんなところまでご存知なんだろう?!というほど細部まで詳細に描かれた音楽界のこと、曲のこと、作曲家のこと。とにかく音大生が読んでも全く違和感のない、(こういった"ピアノコンクール"や"音楽大学"の話の本はあまりに非現実的なことが多い気がするのです。。) まずストーリーの基盤がしっっかりあるのは勿論、
何度泣いたかわからない演奏中の描写、、
文章から音楽って聴こえるんだ。。と驚きました。
数十人いるコンテスタント達の演奏描写が、全員違うのもまた天才的だと思いました
日頃演奏を聴いて感じること、それを文章にするとこうなるわけだな、と
"何となく"を言葉にするとこうなるわけだな、と。
私が、中でも最も面白いな、と思ったのはリストソナタまるまる一曲に対して、恐らく恩田さんの感性で描かれた物語です。
まるでヨーロッパの古典の長編物語のようで、
私もイメージで捉えて演奏する、というかこう弾きたい!!絶対に!!という明確なアイディアは必ず持ちたい、と思って弾いていますが (それがうまく作れると必ずうまくいくものです、逆もしかり。笑、、)
あぁ、もし作家さんがピアニストになったらスゴいことになりそう……
と考えてしまったほど、そのリストソナタにつけられた物語はリストソナタの曲想にドハマリしていたのです。。
これからは曲に物語をしっかりつけるということをやってみても良いかも……という発見ができました(それは吉と出るか凶と出るか……結構な賭けですが。笑)
何よりこれからもしリストソナタを弾く機会があれば、この物語を連想してしまうこと間違いなしです。笑
登場人物がまたみんな魅力的で、
選曲もそれぞれの個性が出ていてコンクール向きの曲もたくさん(これも他の本とは違うと感じたところです、よく一般的に出てくるショパンの子犬のワルツとかドビュッシーのアラベスクとか、普通なかなかコンクールじゃ聞かないですよね……)
こういうとき音楽やっててよかったな、と思えることは、頭の中で瞬時にその曲が流れることです
恩田陸さんの描写がまた見事で、
電車の中でこの本を読んでいようと、ベッドの中で読んでいようと
目の前にはいつもステージが広がっていて、
魅力的なコンテスタント達が目の覚めるような演奏を繰り広げていました
たくさんたくさん語りたいことは他にも山ほどあるのですが!!
ネタバレになりそうなのでこのへんにしておこう……
ちなみにコンクールの最終結果が最後のページに書いてあるので要注意です。爆
私は、ビジネス書や論文など最初と最後から読むのが癖になっていて、自爆しました!!笑
でも結果が分かっていたとしても、何度も泣いたり笑ったりしたわけで……あまり関係ないかもしれませんね。
あぁ。。。読み終わりたくなかった
この本は私の宝物です。
これは読んだ人しかわからないかもしれませんが、、私にとってのギフトはこの本でした。
どれだけ刺激をもらったか。。
一生本棚に飾って、刺激を受けたい。
わたしはこの3月で芸大大学院を卒業となり、4月からは自力で何とかして自分の音楽を模索、開拓していかなければなりません。
そんなときにこの本に出会えたのは運命的で、本当に強力な力を貰えました。
ありがとうございました。
私は音楽が大好きだ!!!!!